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マダム大学院生のグローバルな日々

無閑マダムの博士への道

美的ルックスの表現

近所の図書館は新聞の書評欄に出た本や、話題の本などを目立つところに並べておくので、我が家はそこから借りることも多いです。その中には話題の本で「そのうち読もう」と思いながら20年もたってしまった本がありました。桐野夏生さんの「OUT」です。

お弁当工場の夜勤をする主婦4人が犯罪に手を染めていく、というもので、結構グロテスクな描写もあるのですが、あっという間に読んでしまいました。

やはり女性4人、年齢や性格、バックグラウンドは様々です。人が良く「お姫様キャラ」の人、地味だけど賢く、周囲から一目置かれる人(ヒロインですね)、義母、娘、孫、どれもぐーたらだけど一手に背負う羽目になる「肝っ玉キャラ」の人、見栄っ張りで思慮の足りない人、です。

家族やパートナー以外の男性は主に3人。

サスペンスドラマで「一番怪しく、警察に追われるが、実は犯人はあまり犯人らしくない別の人」という定石に則り、いかにも怪しい男性が出てきます。容疑者にされたため、主婦たちに復讐をしようとする凄みのある人。日系ブラジル人の弁当工場従業員。ヒロインのかつての職場で下請けにいた若いチンピラ的な男性。

男性3人(どれもイケメンらしい)とお姫様キャラ(誰が見ても美人らしい)の女性のルックスの描写に納得です。「涼しげな目元」「ふっくらとした唇」とか、「きりりとした眉」「眉目秀麗」などという古典的な、パーツの描写ではなく、「周りの人の印象や言動」から想像が膨らみます。

女性の描写では「(作業服の)帽子とマスクを外した彼女の姿を見て、若いアルバイト男性が息をのんだ」的なものがあったりします。男性の場合は若いチンピラくんは「そのジャニーズ顔ならモテるだろう?」と先輩男性に聞かれたり、日系人は警察官から「ブラジルの血が入ってるからハンサムなんだな」と言われています。

そして男性3人に粉をかけようとするのが見栄っ張りで軽薄な女性。実は3人とも、地味なヒロインに惹かれ、仕事上のパートナーとして尊敬したりしていたのです。

地味とされるヒロインも終盤では、赤い口紅をひくと綺麗、と美人の仕事仲間に言われています。結局、人望が厚く、男性から憧れられ、鮮やかに富と自由を手にするのか?

人物描写も、「こんな人いそう」と思わせるようなリアリティがありました。

猛暑の読書にはぞっとする冷たさが必要?







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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

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この秋で大学院博士課程を満期退学。
もう院生ではないので
博論終わったらブログ引っ越します。

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