マダム大学院生のグローバルな日々

無閑マダムの博士への道

異文化トレランスとダメ元精神

修士に入学するには推薦状が3通必要でした。2つは元職場の上司、1つはアメリカ人の元同僚に書いてもらいました。

元同僚によると私は「異文化に対するトレランスがあり...」などということで、当時はそうした観点を知りませんでした。toleranceとは:他人の見解や行為に対する寛容、寛大、容認。偏見にとらわれない公平さ、などとなっています。忍耐力や耐性という意味ももちろんあります。彼女にしてみると、その当時、アフリカのケニアという途上国で嬉々として毎年のように休暇を過ごしていたということや、彼女の面倒を忍耐強くみていた?ということから書いてくれたのでしょうか。

最近すっかりご無沙汰していたお裁縫の先生から、突然、「今週予定が空いたから個人レッスンできる」というメールをいただきました。しかも、私が随分前に送った「7月中旬以降なら時間がある」というメールの返信として。まだ、「中旬」になってませんよね。彼女のような常識的な感じの人がどうして?見落としたのかな?

私自身も最近、私を含めた4人のランチを設定しようとした時、仕事のスケジュール上、まず無理だと思われる人にもダメモトでお誘いメールを送りました。送られた方にしてみると、「この時期忙しいのをどうしてわからないのかしら」と思われたことでしょう。

そうそう、お裁縫の先生と私に共通するのは途上国で暮らした経験があるということ。彼女は西アフリカと東南アジアの2か国で。しかも彼女はどちらにも2,3年住んだはずです。

突然の停電や断水。なかなか来ない修理の人。道を聞いて「すぐそこ」は歩いて2時間くらいだったり。途上国でなくても、On timeという表示なのに10分以上遅れる電車。

若者集団を連れていったアメリカのホテルで、係りの人に部屋の不具合を私が電話して呼び、すぐ来ないと、私の「英語が通じなかった」と誤解し、嘲笑する若者がいたり。すぐ来るわけないのだ。「ここは日本ではない。」

そんな中で身に着けた「異文化トレランス」「ダメ元精神」。彼女が私のメールを読まなかったのでもなく、「中旬」の意味が分からなかったわけでもないのですよ。

そんなことを考えて、謎が解けました。
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大阪でバーンガを考える

数年前に、異文化研修でカナダの先生を講師に、「バーンガ」というカード・ゲームをやったことがあります。トランプを使って4人から6人くらいでやるものですが、特殊なルールがあります。私は50人くらいで10グループに分かれてやりました。グループごとにルールがあるのです。各テーブルにはルールが書かれた紙がおいてあります。ゲーム中は口をきいてはいけません。あるグループはキングが一番強く、1が一番弱い。あるグループはエースが一番強い。ジャックがオールマイティかババか。あるグループは時計回り、あるグループは逆回り。という具合です。勝った人は右に、いちばん負けた人は左のグループに移動します。

移動した人は無言の中に気づきます。「あれ?左回りなの?うそ??エースは『1』で一番弱いの?」という具合に混乱し、以前のグループの規範が通用しないことにショックを受けます。まさしく「異文化体験ゲーム」なのです。「新参者」がジェスチャーで確認すると「古参の人々」は「当たり前だろう」という風に偉そうにうなずいたり、というのがみられます。得意げにエースを出して突っ返されると大人でも「えっ?エースはいちばん強いでしょ?」と声に出してしまう人も。無言、で「言葉が通じない」体験にしているのに。

逆に、負けもせず、勝ちもしないで移動しないと、グループごとにルールが違うことに気づかないままの人もいます。

関東から関西へ行くと、関東人の私はいろいろな違いに気づきます。京都は最近も行っていますが、大阪はユニバーサル・スタジオ・ジャパンができた年に行って以来、ちょうど10年ぶりです。若い頃はもっと「違い」を肌で感じたものですが、やはり年齢を重ねると感受性が薄れるのかな、と思っていましたが、それだけではないようです。人々の移動によって「違い」自体が薄まっているのではと感じます。

まず、駅のエスカレーター。関東では左に寄りますが、関西に来ると「右に寄らねば」と考えます。海外ならわかりますが、国内でもこんなことが。

かつて電車のドアでみた衝撃的な「ゆびづめに注意」という表示を今回の大阪ではみませんでした。JRと地下鉄しか乗らず、私鉄には乗らなかったので、もしかしたらあるのかも。すべて「ドアに注意」という表現に変わっており、「違い」の薄まりを感じます。

ただ、駅のアナウンスではその片鱗が感じられました。関東では「閉まるドアにご注意ください」が定番ですが、「手をドアから離してください」という感じのアナウンスでした。要するに「手がドアに挟まれる」という恐怖を感じさせるものです。関東では挟まれるのは手だけでなく、カバンやコートの端なども考えられるので、特定していないのでしょう。

20年ほど前に仕事で大阪に行き、高速エレベーターで一気に下りたときに周りの人たちが一斉に「気色わるー」と言ったとき、必死で爆笑をこらえる私がいました。「うわー、お笑いみたい」。関東なら「気持ち悪い」なのに。

次回は個人的に関西お笑いの旅でも企画しますか。


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ロシア合唱団

昨日は午前中で何とかポスターの原稿ができ、午後はフラに行ってきました。いつもだとそのあと大学に行くのですが、先生の関係でロシア合唱団の招待券があったので、夜はコンサートに行きました。

昨年は中国の楽器演奏のコンサートは夫はいかないということだったので、友人を誘って行きましたが、今年はクラシック音楽ファンの夫としてはぜひ「行きたい」ということで一緒に行きました。私は1階席の教授への招待席、夫の券は留学生用の2階席と別々で、1階席で教授と日本語の先生と合流しました。

私はあまりクラシック音楽のコンサートは行ったことがなかったので、いきなり始まって、曲の解説もないのはちょっととまどいました。後で聞くと、クラシックはそういうものだということでした。ロシア語の通訳がいないのかな、と思っていたのですが。

かつて従兄の結婚式で披露宴のメニューがなく、「次に何が出てくるかわからないのもおもしろいかもね」とおばたちと話したのを思い出しました。メニューは頼むと一人300円程度かかるので、節約したのだ、と親戚中で納得したものです。今ならパソコンでの手作りで持ち込めますが、当時はそんなことはできなかったのでしょう。

披露宴のメニューなら大体想像はつきますが、ロシア民謡は「カチューシャ」以外は知らないものばかりで、プログラムはありましたが、なんか居心地悪い。

その後、わずか20分で休憩が入り、アンコール曲が延々と5曲ほども続くなど、予想がつかないことばかり。さらに、アンコール曲のあとのほうでは日本の「さくら」でその次も「さくら」の時は会場ではかすかに失笑がもれました。それで終わりかと思いきや、まだアンコール曲がありました。これまで、数々のコンサートには行きましたが、アンコール曲が同じ曲2曲連続、というのは初めてでびっくりしました。

混雑を避け、少し経ってから会場を出ると、カジュアルな格好に着替えた合唱団のメンバーが続々と会場を出るところに遭遇。蝶ネクタイでびしっとキメた男性はハーフパンツ、ドレスの女性はパーカーと、あっという間に観光客に早変わりしていました。それもびっくり。

それでもコンサート自体はとても素晴らしく、大いに満足して帰りました。

ソロで歌っていた男性は50年前のスパイ映画に出てくるロシアのスパイのようで長身で独特な風貌でした。「北北西に進路を取れ」のトレンチコートの男性のようです。夫に話すと、「ホンモノだったりして。きっと口パクだよ。」ロシアのスパイ、合唱団に潜入、とか車の中で話を作りながら帰途に着きました。

ロシアのスパイ風のソロの人にも帰り際すれちがい、会釈をしました。

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「沈まぬ太陽」と異文化間教育(2)

「沈まぬ太陽」ではテヘランの日本人学校での様子が描かれており、以前読んだときはあまり気に留めなかったことに気付きました。外国生まれの子がいたり、どうしても環境がオーセンティックな日本語・日本文化環境ではないために、子どもたちが漢字の偏と旁を左右ではなく上下に書いてしまったりという話が出てきます。また、国語の先生が、生徒を惹きつける授業をしようと、「雪女」の話をする話がありました。、話の面白さに引き込まれながら、「行燈てなに?」とか、「二畳の板の間って何?」などという質問が相次ぎ、それらを黒板に書いて説明しながら授業をする、生き生きとした様子が伝わってきます。「雪女」や「鶴の恩返し」は男性が助けた人や鶴と結婚し、秘密を漏らしたり、のぞいたりしたため、妻が元の姿に戻り、去っていくという話という点で似ていたのですね。ところで、先日の古本市で買った「物語に見る英米人のメンタリティー」に、日本の民話は「見てはいけない」と言われてみてしまうのは男性ですが、西洋の民話だと、「してはいけない」といわれてしてしまうのは女性とありました。リンゴを食べてはいけないといわれて食べてしまうイブなどです。それはともかく、文化や言語背景の違うところで言語を教えるのはいろいろ工夫が必要だとつくづく思いました。英語を教えるのになるべくオーセンティックな教材を、と腐心していたころを思い出しました。

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とらいふる

Author:とらいふる
長~い職務経験をへて、現在、大学院博士課程に在籍中 (教育学)。

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